大判例

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名古屋地方裁判所 平成11年(行ウ)6号 判決 1999年4月28日

愛知県西尾市弥生町九番地一

原告

大昌建設株式会社

右代表者代表取締役

仁枝俊昭

愛知県西尾市熊味町南一五夜四一番地

被告

西尾税務署長 尾﨑久雄

主文

一  本件訴えをいずれも却下する。

二  訴訟費用は、原告の負担とする。

事実及び理由

一  本件請求の趣旨及び原因は、別紙のとおりである。

二  請求の趣旨一項にかかる各訴えについて

原告は、趣旨一項にかかる各訴えにおいて、西尾税務署長が課税し、徴収職員が原告の預金債権を差し押さえ、取り立てた昭和五六年度の法人税及び重加算税等について不当利得であるとしてその返還を求め、右課税、徴収処分が公権力の違法な行使であるとして、国家賠償法一条により、西尾税務署などに対する不服申入れに要した費用と信用が失墜させられたことに対する慰謝料の支払を求めている。

しかしながら、法人税の課税主体は国であり、徴収された税金も国に帰属するから、不当利得の返還を求めるのであれば、国を被告とすべきであり、また、国家賠償法による損害賠償の責任を負うのも国であるから、損害賠償を求めるのであれば国を被告とすべきであり、西尾税務署長には被告適格はない。

右各訴えは、いずれも、被告適格を欠く不適法なものである。

三  請求の趣旨二項にかかる各訴えについて

裁判所が審判しうる対象は、法律上の争訟、すなわち、当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否についての紛争であって、法令の適用によって終局的に解決されるものに限られるところ(裁判所法三条一項)、右各訴えは、いずれも、原告の具体的な権利義務を離れて、抽象的に、現行の租税制度や法律に対する一般的な不当性を訴えるものであるから、法律上の争訟性を欠く不適法なものである。

四  よって、本件訴えはいずれも不適法であって、その不備を補正することができないから、口頭弁論を経ないで却下することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法六一条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 野田武明 裁判官 佐藤哲治 裁判官 達野ゆき)

請求の趣旨

一 源泉所得税・重加算税の返還及び、昭和六三年より現在に至迄の複利金利一四・六%差押えによる慰謝料その他の諸経費左記の金額を支払え。

源泉所得税・重加算税の返還金額

本税金 一一七、六三六円

重加算税金 三八、七〇〇円

複利金利金 四四九、一六五円

経費金 八〇〇、〇〇〇円

慰謝料金 一、〇〇〇、〇〇〇円

合計金 二、四〇五、五〇一円

二 納税証明書なら、納税全額証明を求める。

納税証明書を確定納税証明書に変更する事を求める。

税務相談室の廃止又は改善を求める。

税額不服の時、同じ署内に訴えることの廃止を求める。

二一世紀の税務署のあり方と、公僕についての説明を求める。

納税者の為の税法の改正を求める。

訟費用は被告の負担とする。

請求の原因

一 税法は、国が憲法定めている国民の基本的人権と生命財産を守ることを義務付けている中に税法はある。税法を論じる前に憲法との関係を重視するべきである。

西尾税務署が、国が憲法定めている国民の基本的人権と生命財産を裁量権で犯すことが許されるべきでない。

現在、大手金融機関の税法の扱いと、一般国民に対する扱いの差ははなはだしい。あるべきでない。一般国民(納税者)は国により、同等の扱いを受ける権利があるのに、弱い者苛めをするだけでなく、納税義務者を罪人扱いしている。

税務署の職員の特権意識による裁量権の乱用、公僕精神の欠落の職員処罰を求める。

又同等の扱いをしてない税法が、一部国民にごまかすことを奨励しているのが税法であり税務署あり方である。

金融関係では、経営者が赤字を作り金融を助けないと日本全体が危なくなるとの理由で、法まで作って保護、挙げ句に金利差を大きくして早く負債返済をさせている、現状から見ると一般の納税者は何一つ税務署に対して正しいことでも言えない状態であるだけでなく、如何に不公平である。

西尾税務署が税法を憲法より、優先して運用は許されるべきではない。憲法違反をした事が左記の理由で明らかである。

池田安司宅の工事代金の未収金が昭和五四年度決算で一二、二〇万円あり、法人税の昭和五六年度の修正金額が一一七、六三六円である。

大昌建設株としては、民事訴訟で一二、二〇万円を池田安司に請求しているが、池田安司が全額払う意思が無いので訴訟を起こした。

訴訟では、先ず減額されるので修正額一一七、六三六円による複利金利一四・六%とで返して戴けるなら何時でも支払いますと申し出したが、聞き入れずに、裁判で請求しているかぎり、修正額を支払えだけで、挙げ句に何の断りもなく、一方的に大昌建設株式会社の東海銀行西尾支店、普通座口座番号、五八四―九二三、の金三、一六六、五八九円を差押え重加算税金一五六、三三六円を一方的に取っていたのである。

本税金一一七、六三六円と重加算税金三八、七〇〇円に複利金利金四四九、一六五円を支払を求る。

大昌建設株としては、修正を受けないと言ったことはないが、税務署職員の特権による裁量権で、善良なる国民を罪人扱いすることは、許すことが出来ないだけでなく、国民の一人として税金を支払いたくてもごまかすことを教えている税務署の体質の改善を求める意味で訴訟と損害金請求に踏み切ったのである。

前回同様に今回も再三にわたり税務署所長に面会して、事情説明すと申入れしたが、今回も、総務課長澤頭亘始め数人に阻止され、面会させて戴けなかった。

大昌建設(株)、代表取締役仁枝俊昭としては、税金その他で差押えをされたこと一度もなく、社会的信用失墜、慰謝料金壱百万円、再三にわたり、税務署等に申し入れした費用等金八十万円を求める。

豊橋地方裁判所で、平成九年九月一〇日の判決で九二一万四八一二円(減額二、九八五、一八八円)の判決がおりたが相手が控訴したために現在名古屋高裁で仲裁中で、平成一〇年一一月三〇日までに総額壱千二百万で支払うことで合意した。

二 納税証明書の文字追加か、納税全額証明を求める。

税務署職員も国民の一人であるから、率先して、財政赤字、行政改革取り組み、納税者の正しい意見を取り入れ、納税意欲の湧く政策と、二一世紀の税務署のあり方の指針を求める。

七・八年前より、中、刈谷、西尾税務署、名古屋税務相談所、その他で再三にわたり、納税証明書でおかしいので、確定納税証明書にすべきと申入れしても耳をかそうとはしないだけでなく、改善の意思はまったくなく、その上無視の態度を取り続ける税務署職員のあり方が、現在騒がれているMFO担に繋がっている。主権者たる国民に納税義務を求めるなら税務署自体、体質改善をして、納税者の意見に対して判り易く回答、改善することは税務署の義務と責任である。国民より信頼出来、取り調べる価値のある税務署になってから税務調査に入る資格がある。

納税額全額を証明するのが納税証明書と思います。納税証明を税務署に求めると、確定納税額を証明して戴けるが、納税証明書と言うなら、企業、個人が分離課税その他で、既に納めた税金総額(預金利子税、配当金税、土地譲渡税、退職金税、消費税)を証明されるべきである。揚句に納税証明書を発行するに当り、一通当り手数料として金四百円をとっている。

納税証明が必要の時に、納税額が幾ら多くても、既に分離課税で納めた税金を差し引いた分しか証明されないので、納税額をみて点数に加算されている事は、納税者に取って不利になっているのに、申入れしても改善しない態度は、公僕精神に外れているばかりか、憲法で定められている基本的権利の納税者を納税者として認めない態度を改善すべきである。

税務署所長が、法人会その他の会合では、何時でも合うから気楽に税務署に気て下さいと、言っているが、税務署所長に聞かせたくないことなどは、総務課で処理することが、かえって何も知らない所長が本省に返っていって、本省にて地方のことを決め、地方より何も本省に意見すらいえないことが、納税者の正しい意見を反映できない最大の問題点である。

財政赤字の折から、税務署々室の廃止、民間企業のノウハウを率先して取り入れるべきである。

職員自体も幾ら真剣に取り組んでも所になれないので、事務意欲が湧かず益々赤字経営の国にすることが怖いのである。

行政訴訟を起こさない限り、行政改革が出来ない国では何ともならない。他の各省庁の手本になる大蔵省、税務署を目指し、行政政監察官に権限を持たせるのか、赤字財政の折から権限のない、税金無駄遣いの相談室廃止を求める。

税額不服について、所管内の税務署所長に訴えることの廃止を求める。所管内の税務署の判断が違っているのに、同じ署内の税務署に訴えることは、納税者としては内容を知られ適切な判断が出来る分けがない。

税額不服審判所が、税務署の建物に入り、税務署の職員が行き来していて、納税者の目で見た時、公正さが欠ける。

今の税法は、憲法で定めている国民の基本的人権、生命財産を守る義務の中での運用でなく、大蔵省、税務署の為の法律、運用で、もっと納税者の為になるようすべきである。

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